精肉コーナーで考えたモノの値段の話

2022/09/15

仕事に効く

今週はコストコの精肉コーナーでモノの値段とは何かを考えた話をします。

ほぼ同じ内容を音声でも話しています!

先週コストコに行きました。2021年に熊本にもコストコができたんです。

関東に住んでいた頃に知り合いに誘われて、一度だけ行ったことがあるのですが、会員制であることや、同じものを大量に買う必要がある=購入金額はそれなりの額になるので、会費を払ってもおトクなの?って思っていたんですね。

それが変わったのは、テレビ番組の影響です。

その番組とは経済番組の「ガイアの夜明け。」 ガイアの夜明けでコストコを取り上げたのは7月だったみたいですが、地方のテレビ局は東京の番組を買って放送しているケースも多くて、1カ月遅れで放送されました。

たまたまその番組を見た私は、その週の週末にコストコに行きました。

モノの値段にはサービス料が加算されている

そこで思ったのは、モノの値段はサービス料であるということです。

コストコの精肉コーナーにはドーンと大きなカタマリ肉も売っていました。

カタマリ肉は100gあたりの単価が安くて、さすがコストコって思いました。 でも、カタマリのままでは使いにくい。なので、家に帰ったら切って小分けにしなければなりません。

そこでスライスを見たら、値段がスーパーで売っているのと変わらないんですよ。
え?って思いますよね。

でも、売る方からすればこれって当然なんですよ。手間がかかりますから。

先日ネットでコストコについて書かれた記事を見つけました。 そこに「コストコの利益のほとんどは会費」という話が書かれていました。

日本のスーパーは会費がありません。誰にでも開かれています。スライスされた使いやすい少量の単位で、個別包装もされています。

どこで儲けているんでしょうか? 

コストを見えなくなることでゆがみが生じている

しわ寄せがいっているのが、人件費と生産者なんですよね。 

うちの夫はデコポン品種のみかん作っています。

数年前までは、小さな袋に入れて地元の産直にも出していました。でも、いまはもうそれはやっていません。なぜなら、選別や個別包装が大変だからです。

なので、いまはネットで直接、お客さんにキロ単位で箱売りしています。

いまの流通の仕組みは消費者にとっては便利な反面、いろいろ問題もあります。

そのひとつがこれですね。カタマリもスライスも肉というカテゴリは同じです。

なので、スーパーではカタマリ肉もスライス肉も同じグラム単価で売られています。というより、カタマリ肉がないこともめずらしくないでしょう。

それってお客さんのニーズに応えてるように見えますが、本当にそうなんでしょうか?

スライスにするには、スライスした人の手間がかかっています。カタマリ肉とスライスを同じ単価で売ることは、そのコストを見えなくしていることにはならないでしょうか。

コストを”平等に”負担することで起こる2つの問題

そこには次の2つの問題があると私は思います。

①選択の自由がない

カタマリもスライスも同じ価格で売るということは、スライスのコストをカタマリ肉に転嫁しているということです。

つまり、カタマリ肉が欲しい人もスライスのコストを負担させられています。 本来、カタマリ肉とスライスを同じ売場に置いて、選べる状態にあることが選択の自由だと私は思います。

手間より価格をとる人はカタマリ肉を、価格より自分の手間をとる人はスライスをとれるようにすればよいのではないでしょうか。 

 ②人件費を価格に転嫁できない 

 「サービス料」が見えない状態が普通になると、どうなるでしょうか。 人件費を価格に転嫁するのは難しくなるでしょう。

いま、原材料の価格が高騰しているのに価格を転嫁できずに大変だ、といったことが話題になっていますが、そういう文化をつくってきちゃったんですよね。 

 日本の経済がうまくいっていないのはここにありそうですね。 コストコが好きかどうかは別にして、会費をとるビジネスモデルって長い目で見れば健全なのかもしれないなって思いました。

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2017年に未経験からライターの活動をはじめた私が、都内のベンチャー企業の広報のお手伝いや、コンテンツ制作、ビジネス系メディアへの寄稿をさせていただけるようになるまでのこと、興味のあることなどを現在進行系でお伝えしています。

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