今週は忙しさの正体、という話をします。
先日、生産者や加工業者など食に関わる仕事をしている人のコミュニティのイベントに参加しました。
イベントのテーマは「宅食」。
宅食とは、栄養バランスのとれたミールキットや弁当を届けてくれるサービスのことです。子育て真っ最中のメンバーが集まって、みんなの宅食サービスの利用状況を話し合っていました。
共働き家庭が増えたいまの時代「食事作り」はそれなりに負担の大きな家事となっています。
毎日メニューを考えるのって大変ですよね。だから、すぐ食べられて栄養バランスのいい宅食サービスってものすごくありがたいわけです。
他の家庭でどういう家事分担をしているかの話を聞けるのはおもしろい時間でした。
でも、その回を通じて私はあることに気づいてしまいました。それは、余裕のなさがますます私達を忙しくしている、ということです。
家事外注が前提とするライフスタイルとは
当たり前ですが、こだわったものってやっぱりそれなりの値段なんですよね。毎日食べられますか？という価格帯です。ちょっとした外食をするのと変わりません。じゃあ、価格を下げればいいかというと、別の問題が出てきます。献立、栄養面などにこだわれなくなるので独自性が出しにくくなります。
するとレトルト食品と何が違うのかという話になっていきますね。
前提としてサービスはビジネスであることも忘れてはいけないでしょう。利益を出せなければ、続けられません。
だから結局、そういうサービスを日常的に利用できるのは共働き家庭でもかなり余裕のあるところ、いわゆるパワーカップルということになる。
家事外注サービスって「いっぱい稼いで、いっぱい使う」そういうライフスタイルありきの話なんですよね。それで助かることはあるだろうなとは思うものの、支出が増えればその生活水準を維持するために、さらに働く必要が出てくるわけです。
すると本来届けたかった人にサービスが届くのか？という問題が出てきます。
「家事できないくらい忙しい」っておかしくない？
こういうことを考えていると、資本主義だなぁと思いました。最近、資本主義の限界みたいな話が出てきていますが、それは政治や経済の話ではなくて、私達の暮らしの中にある話なんですよね。資本主義を前提にしている以上、拡大路線は避けられないということです。
たとえば、風邪をひいたときを考えてみましょう。
薬を飲みますよね。薬を飲むと落ち着くので薬のおかげで治ったと思いがちですが、実は薬は症状を抑えているだけで治しているわけじゃないという話を聞いたことがあります。
治しているのは自分の身体の免疫システムだからです。なので、風邪の治療は薬を飲むことではなく、免疫がちゃんと働くように普段から栄養バランスのとれた食事を摂って、運動して、しっかり寝る。規則正しい生活をしていることの方が大事だったりします。
仕事やライフスタイルも同じです。目の前に起きている問題をどうにかすることも大事ですが、本気でどうにかしようと思うなら、その上流にある原因を叩く必要があるでしょう。
原因がなくならない限り、延々と対処療法を続けることになりますから。
ここでは家事が好きじゃない・得意じゃない問題は置いておくことにします。
念のために言っておくと、私は家事外注サービス肯定派です。何が何でも頑張れという根性論はおかしいし、できないものはできません。一人の人が持っている時間は限られるので、そうしたサービスはうまく使っていけばいいと思います。
ここで言いたいのは、そもそも家事ができないくらい忙しい状態っておかしくない？ということです。
なぜ問題は起こるのか？原因を考えてみる
ワークとライフの問題にはそれぞれのハック、解決法があると思いがちですが、それらを完全に分けることはできないし実は根っこの部分は同じだと思います。
だから、どうすれば理想の状態に近づけるか？そもそも、なぜその問題は起こるのか？という視点で、考え方やライフスタイルそのものを変えてみる。長い目で見れば、そちらの方が大事なのではないでしょうか。
すると、どういうことが起こるか。もしかすると世の中に本当に必要な仕事は限られている、という別の問題が起こるかもしれません。
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2017年に未経験からライターの活動をはじめた私が、都内のベンチャー企業の広報のお手伝いや、コンテンツ制作、ビジネス系メディアへの寄稿をさせていただけるようになるまでのこと、興味のあることなどを現在進行系でお伝えしています。
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