住む場所と仕事はライフステージで変えていい

2022/05/31

ライフ・子育て・教育


今日は「住む場所と仕事はライフステージで変えていい」という話です。 

夫は東京、私は神奈川の出身ですが、2014年から地方暮らしをしています。 

首都圏を離れて8年経ったいま感じる、子育て世代にとっての田舎のメリットとデメリットをお話しします。

親が自営業・パートの子どもも保育園に問題なく入れる

私はいま、熊本県の天草市というところに住んでいます。

夫は柑橘農家をしていて、私はライターをしながら、ときどきみかんのお菓子を作ったり、農家民宿の手伝いをしているという感じです。

地方暮らしは今住んでいる天草の前に小豆島にいたことがありますが、子育て世代にとっていいと思ったのは、どちらも希望すればすぐに子どもを保育園に入れられたことです。

地方にもいろいろな規模があります。

私たちが住んでいるのは、熊本県でも一番面積が広いところ。 そこに8万人くらいの人がパラパラと住んでいて、若い人は熊本市などの町にいるので、待機児童がいないんです。

ちなみに熊本市は親が自営業だとなかなか子どもを保育園に入れられないそうです。熊本県の人口の半分は熊本市に住んでいるので、そういうことが起こるんですね。

夫婦そろって自営業どころか、パートの家も問題なく保育園に子どもが入れるのは天草のよいところだと思っています。

特に移住したばかりの頃は、仕事を変えたばかりです。仕事を軌道に乗せることの優先順位が高かったので、子どもを預かってもらえるのは本当にありがたかったですね。

古いけど一軒家だし、隣の家との距離もあるので、隣近所に迷惑がかからないかを気にして生活する必要もありません。

子どもが「めずらしい」ので、近所の人たちも何かと気にかけてくれました。 

「少子高齢化」「過疎化」の実態

しかし、どんな物事にも表と裏があります。ここからが本日のメインテーマです。

人口密度が低いということは、近所に同じくらいの年齢の子どもがいない、ということでもあります。

放課後や休みの日に、遊べる友達が近くにいません。

数年前、町の小学校は1つになりました。クラスは1つだけです。

保育園から高校までの顔ぶれは同じ。学校には、子どもの社会性を育てるという大切な機能があると思いますが、ここでは物心つく前から知り合いで、兄弟の延長みたいな感じなので、よく知らない人とどう付き合うかみたいなことを学ぶ機会がないんですね。

進学や就職で外に出て、うまくやっていけない人も多いという話を聞いたことがありますが、その原因は「人の少なさ」と「みんな知ってる」ことにあると思います。

知らない人とのコミュニケーションがわからない

田舎では特定の地域に特定の姓、名字の人が集まっていることが多く、親戚関係にあるんですね。

うちは移住者なので、この地域にはない姓です。 

見ない顔なので道を歩いていると、いきなり「あんた誰?」と言われたことが何回かあります。

相手が年配のおじさんだったらこういう聞き方はしないのではないでしょうか。わたしがその人より若くて、女性だからそういうことができるんじゃないかと思います。

こういう質問をされたとき、私は「そういうあなたは誰ですか?」って言ってますけど。

知らない人にいきなりそんなことを言ってもOKな土壌がある、つまり、それだけ田舎は知ってる人だけで構成されているということなのだと思っています。

自然はいっぱい。でも、子どもの遊び場はない

それともうひとつ。子どもが少ないということは、子どもの声が反映されにくいということですね。

これは田舎だけじゃなくて、いまの日本全体に言えることだと思うのですが、田舎はそれが顕著です。

田舎は自然があると言いますよね。たしかに自然はたくさんあります。 でもなんの整備もされてない自然って、結構危険ですよ。

ヘビもいるし、イノシシもいるし、ムカデもいるし。田んぼのそばには用水路もあるし。 子どもを自由に遊ばせておける公園みたいな場所がないので、外で遊ぶなら親も一緒に見ていなくてはいけません

昔なら大きな子どもが小さな子を見るということもあったかもしれませんが、そんなのは今は昔。

車移動が前提なので、歩道は草ボーボー、整備されてないので歩きにくい。

そのせいか保育園も、あまり散歩が好きじゃなかったみたいだし、室内遊びが多かったですね。

でも、お年寄りのためのレクリエーションは充実している。

子どもたちには、危ないから遊ぶのは家の周りだけにしなさいというけど、お年寄りは廃校になった学校に車で乗り付けて、グランドゴルフしてたりするんですよね。

うちはグランドゴルフをしませんが、そこの草刈りは地域でやらなくちゃいけない。

また、どこに行くにも車が必要なので、子どもが遊びや習い事に行くときは親が送迎しなければなりません

仕事しながら、毎回親が付き合うのはかなりの負担です。

いまのところオンラインの習い事でごまかしていますが、身体を使うものは難しいかなと思っています。

大切なものを選び取っていけるように常に変化する

ここで言いたいのは、どんなものにも表と裏があること、ライフステージによって必要なもの、大切なものは変わるということです。

不満に対する反応は人それぞれです。
  1. 声に出して現状を変えていく 
  2. 違う環境に移る 
  3. あきらめる
ないものねだり。といえばそうかもしれません。

わたしの場合、③はないので①か②となりますが、①にはとてつもないエネルギーと時間がかかります。ものにもよりますが、この場合は②かな、と思います。

子どもたちが成長し、小学校に入り行動範囲が広がってきたいま、違うものの優先度が高くなってきました。

なので、去年一時期だけもう少し熊本市寄りの街にアパートを借りて、二拠点生活をしていたこともあります。

そこに住んで思ったのは、子どもの学校や教育が大事な年齢では、ある程度の規模の街にいた方がいいということです。

歩いていける場所に学校があって、全校児童は800人くらい。近所に友達もいたし、公園もあったので。

でも、天草から60キロくらい離れたその街と行ったり来たりする生活に疲れて、いまはまた天草に戻ってきました。

ほんの数ヶ月でもよかったのは、天草と違う環境で生活したことが、子どもの刺激になったことです。

上の子は中学からは街に行きたいと言っているので、そのタイミングで住む場所を変える可能性もありかなと考えています。

子どもが学校に入るまでは、子どもを保育園に預けられることが何よりもありがたいと思っていました。 

住む場所と仕事を変えたばかりの私達にとっては、生活の基盤である仕事をどうにかする方が私にとって、優先度が高かったからです。

しかし状況は変わりました。

これまで住む場所や仕事は、1回選んだらずっとそのままだったかもしれせん。でも、そうする必要はないですよね。

そのときどきに必要なもの、大切なものを選びとっていけるように、住む場所も仕事も変えていけばいいと思います。

ただ、いきなりは無理なので、それができるための準備をしていかなければならないのですが。それに合わせて仕事のやり方もどんどん変えていく必要を感じています。

ライフステージが変わると、大切なものは変わる。 自分たちにとってちょうどいい暮らしをするために、常に変化し続けることが大事という話でした。

***
横浜出身、元国交省職員の私が地方への移住を決めた理由、どうやって仕事や住まいを探したか直接聞ける場を用意しました!


地方移住に興味はあるけれど、仕事が心配という人や、起業してみたい人、農業するにはどうすればいい?という疑問を持つ人におすすめです。

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