起業の意味を考えるときに役立つ3つのポイント。「起業」と「開業」の違い

2022/02/23

仕事に効く


「3年先のことはわからない」先行き不透明な時代に突入し、起業に関心のある人が増えています

 大手有名企業に就職しても、社会保険料や雇用保険料の伸びに応じて給料が増えることはなく、かえって手取りが減ったという人も多いはず。 

だったら起業した方が夢がある、と思うのは無理もありません。 

インターネットなどさまざまツールのおかげで、一昔前に比べて学生時代に経験できることは増えています。近年は社会人経験なしに、いきなり起業する若い人も増えているようです。

ただ、起業は会社員よりも不確定なことが多いのも事実です(少なくとも現時点では)。 

いくらライティングやプログラミングなど特定分野のスキルがあっても、法律や税制などの最低限の知識なしにうまくいくことはありません

数年で廃業に追い込まれてしまう人も少なくないのが現実です。

この記事では、2014年に首都圏から地方に移住し菓子製造やビジネス分野のライターをしているパラレルキャリア実践中の私が、起業前におさえておきたいポイントを紹介します。

起業・開業・独立・創業の違い

まずは言葉の定義をおさえておきましょう。

起業

起業とは字のとおり、事業を新しく起こすこと。個人事業主か法人かなどの事業形態は関係ありません。

なお一般的に「起業家」という場合は、従来にないサービスや領域で事業を起こすベンチャー企業やスタートアップ企業を指すことが多くなっています。

開業

新しく事業をはじめることです。開業医に代表されるように、医師や弁護士、税理士などなんらかの資格を持った個人事業の場合に多く使われています。

ホテルや飲食店などの宿泊施設や商業施設を新しくオープンするときも、開業を使います。

独立

自分の力で生計を営むことです。長年企業に勤めていた人がなんらかの専門性を身に着けて、フリーランスとなることも独立のひとつの形です。

親元から離れ、自分の収入で生活することなど、広く一般的に使われる言葉でもあります。

創業

商売をはじめた時期のこと。一般的には、現在のことではなく過去のことを指す場合に使います。設立と一緒に使われることの多い言葉です。

たとえば、創業150年の老舗和菓子屋の場合、商売をスタートしたのは150年前ですが、株式会社を設立したのは商法が成立した後の時代になります。

起業とは開業届けを出したとき

起業は個人、会社組織として法人を設立してのどちらでもできます。

個人の場合は開業して1ヵ月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」を納税地の所轄税務署に提出してください。

青色申告する人は、「青色申告の承認申請書」も一緒に提出するのがおすすめです。青色申告については別の記事で書いてみようと思います! 

法人を設立して起業したときは、法人登記終了後の2ヵ月以内に「法人設立届出書」を同じく納税地の所轄税務署に提出します。

開業届けを出すと個人は毎年1〜12月の収入・経費を対象に、法人は会社を設立した月を起算とする1年ごとに、確定申告することになります

届出書の提出や確定申告はオンラインで申請できるe-Taxが便利です。

このブログをはじめ世の中にあるサイトはわかりやすくするために、細かな部分を省いて書いています。そのため、最新情報や詳細は国税庁のサイトを確認してくださいね!

起業の意味を考えるときに役立つ3つのこと

起業すること自体はカンタンです。でも、起業前にぜひともしっかりと考えたいことがあります。1つずつ見ていきましょう。

起業の目的を考える

冒頭で起業と似た言葉の定義を確認しました。それ以上に大切なのは、自分にとっての起業の意味を考えてみることです。 

起業の意味は、人それぞれではないかと思います。ある人にとっては、自分のやりたいことができることかもしれませんし、ある人にとっては自分のペースで働けることかもしれません。 

私のように子育て中の人にとって、決まった時間に働く必要がないことはとても魅力的に思えるはずです。

また、会社員のように定年がないので、自分の仕事の終わりを決められることも起業のメリットではないでしょうか。

どこでもできる仕事なら場所にとらわれず、世界中のどこでも仕事することが可能です。


生活と仕事を自分でコントロールする

ただ、メリットがあればデメリットもあります。その最たるものは「すべての行動の結果の責任を負うのは自分」ということでしょう。

就業時間が決まっているということは、裏を返せばそれ以外の時間は仕事や収入の心配をする必要がないということでもあります。

役職や仕事内容によって置かれた状況は人ぞれぞれですが、仕事をもらうために営業する必要はなく、会社に行けば仕事がある人がほとんどだと思います。

給料は源泉徴収されて毎月自動的に振り込まれるので、よほどの関心がなければ税制の仕組みや労働法、就業規則がどうなっているか見たことがない人も多いのではないでしょうか。

組織から独立し起業するというのは、自分の生活と仕事を自分でコントロールすることです。  

この部分を認識せず、メリットだけに目が向いた状態で起業すると「こんなはずじゃなかった」ということにもなりかねません。

起業前はまず、どんな人生を送りたいのか、自分にとって起業・キャリアにはどのような意味があるのかをしっかりと考えてみましょう。

ターゲット・コンセプトを決める

次に大事なのは「誰の」「何の」課題を解決するのかという部分です。 一般的には、ターゲットとコンセプト決めと言われています。

なぜこの部分が大切なのかというと、すべてのビジネスは必ず誰かの課題を解決するものだからです。

課題という言葉が大げさなら、ニーズと言い換えてもよいかもしれません。

たとえば、私の夫はデコポン品種のみかんを作っています。物理的には、土地があればみかんを作ることは誰でもできるかもしれません。

しかし、誰もがみかんを作りたいわけではないし、できないですよね。

商業的なサービスや商品とは、自分ではやりたくないこと・できないことにお金を払い、代わりにやってもらうことだと私は思います。

みかんのケースでは、自分の時間や労働を節約する代わりにお金を払うことで、おいしいみかんを手に入れるわけです。

起業はワクワクすることもたくさんありますが、楽しいことばかりでもありません。大変なときを乗り越えるには、自分がやろうとしていることへの思いが必要です。

「誰の」「何のために」がしっかりしていれば、踏ん張ることもできるでしょう。

そのため、アイディア出しの段階ではお金になるかより「なぜそれをやるのか?」「自分の商品やサービスを誰が喜んでくれるのか?」といった質問に答える視点で考えるのがおすすめです。

実行プランを考える

ターゲットとコンセプトが決まったら、なにをするかを考えていきましょう。

対象となる人が自分の商品やサービスの存在を知って、喜んでくれるにはどうすればよいかを具体的に考える段階です。

逆に言えば、ターゲットのライフスタイルや悩み、嬉しいことが想像できないと、この部分をうまく形にすることはできません。

これまでに起業したことがない人がいきなりパーフェクトな形で実行プランを考えるのは不可能です。

やってみなければわからないことは想像以上に多く、何度も修正の必要を感じることになるでしょう。

実際、私も何度もうまくいかなかったときは自問自答を繰り返しましたし、いまも試行錯誤しています。ときにはターゲットやコンセプトの練り直しもしなければならないかもしれません。 

 「誰の」「何のために」の部分はとても重要ですので、しっかりと考えるようにしましょう。

起業前におさえるべきポイント


ここまで抽象的な内容について書いてきました。最後に実行プランを考えるときにチェックするポイントを紹介します。

起業資金・資金調達はどうするか

仕入れや施設が必要なビジネスならある程度まとまった資金が必要です。

インターネットで完結するビジネスならほとんどお金はかかりませんが、パソコンやプリンターなどの機器やネット環境の整備、サービスの契約費用はかかるので、まったくゼロというわけにはいきません。 

会社を設立する場合は登記にかかる設立費用も必要です。誰かと一緒に展開していくなら、その人への報酬はどうするのかなども検討しましょう。

資金調達が必要な場合は、銀行や信用金庫に相談してみてください。

場所をどうするか

何をするにも場所は必要です。自宅で開業するのかオフィスを借りるのかによって準備するお金は変わります。

私のように菓子製造をはじめようと思ったら、どこで作って売るかも考えなければなりません。

広告宣伝をどうするか

広告宣伝というとチラシやインターネット広告をイメージすることが多いかもしれませんが、ホームページも立派な広告宣伝です。

起業するなら、まずは多くの人にあなたの商品やサービスを知ってもらうためホームページの作成を考えてみましょう。

決済システムをどうするか

実店舗などのリアルな場ではなくインターネットでビジネスする場合は、お金のやりとりをどうするかを考えなければなりません。

最近はSTORESなど無料で立ち上げられるネットショップやPaypal、Squareなどの決済システムがあります。 

起業したばかりの時期に固定費が大きいサービスを契約するのは難しいので、うまくこうしたサービスを活用してみてください。 以下の3つは業種・業態によっては必要になるものです。
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許認可が必要な業種ではないか

弁護士や税理士などはわかりやすい例ですが、それ以外にも許認可が必要な業種はたくさんあります。

たとえば中古の本やCDを売るには古物商の許可が必要です。また、私がやっている菓子製造もそのひとつ。

お菓子やパンを作って販売するには、保健所で許可をとった施設でなければなりません。自宅のキッチンで作ったものはダメなんですね。

食品衛生法は、2021年も改正されたばかりです。何をするかが決まったら、自分がこれからやろうとしていることが許認可の必要な業種でないかをチェックしてみましょう。

仕入れ・資材の調達をどうするか

モノを売る場合は、仕入れが発生します。商品を梱包して発送するときはダンボールや緩衝材などの資材の仕入れも必要になりますので、資材の調達先を確保しておきましょう。

配送業者との契約をどうするか

商品を発送するときに欠かせないのが配送業者です。毎月ある程度の量の配送が見込めるなら、配送業者と契約すれば集荷もしてもらえます。

運送費は年間の実績次第で有利な条件を引き出せることもありますので、翌年度以降に交渉してみるといいですよ。

自分なりの起業の意味を見つけよう

起業の言葉の意味と、法的な起業の意味、そして自分にとって起業の意味を考えることの大切さを解説しました。 

起業そのものは、税務署に開業届を出したら完了です。 しかし、それ以上に重要なのは自分にとって起業する意味をじっくり考えることではないでしょうか。

「誰の」「何のために」起業するのか。 

 起業するとしんどい部分もありますが、誰の、何のためにやるのかがしっかり決まっていれば大変なことも乗り越えていけるはずです。

あなたの商品やサービスのファンが広がるにつれて、新しいフェーズに入っていくこともできるでしょう。

 あなたの人生をコントロールするのは、ほかでもないあなたです。

 起業の意味を十分に考えて、あなただけの人生を歩きはじめましょう!

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横浜出身の私は2014年に、地方の中の地方に移住しました。親戚や友人のいない場所で起業&未経験のことにチャンレンジしたあれこれをまとめてみました。なぜパラレルワーク・複業をすることになったのか。

いいことも悪いこともひっくるめて書いています!

地方移住に興味はあるけれど、仕事が心配という人や、起業してみたい人、農業するにはどうすればいい?という疑問を持つ人におすすめです。
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