「発想力を身につけたい」そう悩む人は多いはず。
そんな人に一読をおすすめする本があります。それが『7日間で突然頭がよくなる本』(小川仁志著)という本です。
そんなに短期間で頭がよくなったら誰も苦労しないだろう。読んでみたら、思いのほかおもしろかったので紹介します!
『7日間で突然頭がよくなる本』は、古今東西の哲学の考え方・論理パターンを解説する本です。
この本が定義する頭がいい状態とは、物事の本質をつかむこと。
「それって、結局なんなの?」をとらえられる力のことといえるでしょう。
右肩上がりの時代で、生きていくのはそれほど難しいことではありませんでした。
なにもしなくても「明日は、今日よりよくなる」と信じられた時代では、誰でもそれなりに生きていくことができました
しかし、これからは頭のよさ=物事の本質をとらえられる能力の有無が明暗を分ける時代になりつつあります。
そこで役に立つのが「哲学」と著者は言います。
なぜ、いま哲学なのか
哲学というと、愛とは?幸福とは?など抽象的なものを考える学問のことだと思う人は多いはず。
実は私もそう思っていたのですが、この本を読んでその考え方が変わりました。
なぜなら、クリティカルシンキングやロジカルシンキングの手法は哲学そのものだったからです。
「なぜ」を繰り返す手法や、相手に教えるのではなく気づかせる姿勢を重視するコーチングの手法、互いに対立するものからよりよいものを導き出す手法などなど。
最近になって登場したもの、話題になっているものだと思っていたら、その元ネタはずっと昔からあったんですね。
食わず嫌いは損するなぁ、と実感しました。
「伝えたいこと」をキャッチーにできるのが哲学
さて、この本の中で私がおもしろいと感じたことを1つ取り上げてみます。
それは、哲学を学ぶと、物事を一言でキャッチーに表せるようになるらしいということ。
この場合のキャッチーとは、必ずしも扇動的な強い言葉を使うことではなく、発信するメッセージを「いつでも」「誰にでも」伝わる、普遍性のあるもの、抽象度の高いものにしていくことを指しているようです。
抽象的なものには、わかりにくい、ぼやっとしている、といったイメージを持つことも多いかもしれません。一方、具体的なものはわかりやすい反面、余分なものが多くかえって本当に伝えたい部分が伝わりにくい面もあります。
言いたいことはわかるけど「それは私には関係ない」と思われた瞬間、何も伝わらなくなってしまうからです。
抽象化ってこんなこと
ここで抽象化の例を見てみましょう。
たとえば、自動車、電車、飛行機。この3つに共通する要素は「のりもの」ですよね。
これを哲学っぽく表すと「輸送体」となります。
著者いわく「●●体」や「●●性」のようにすると、カッコよくなるそうです。
これをやるには、そもそもボキャブラリーが豊富じゃないと…という感じもしますが、「ここから何が言えるかな?」と考えることは誰にでもきるのではないでしょうか。
この本から、物事の本質をつかむのに必要なのは、次のことだと思いました。
・考え方の枠組み(フレームワーク)を知る
・フレームワークが活用されている事例を知る
・具体⇔抽象を繰り返す
頭をよくしたいと思うなら、勉強し続ける必要がある、と著者は言います。
しかし、勉強だと思って続けられる人は多くないはずです。理想は勉強だと気づかずに、知らないうちにやっていたという状態を作ること。
そこで必要なのが好奇心です。
学んだことをその日からやってみる。
その結果、どうなるか見てみよう、という姿勢が大切なのかもしれません。
『7日間で突然頭がよくなる本』は、audiobook(オーディオブック)の聴き放題で聞けきました。本を読む時間がない、読書が苦手な人にもおすすめです!
