机の横のふくらんだ封筒を見て、ため息が出ました。
中身は未処理の領収書やレシートです。今年こそ、そろそろやらなきゃ…ということで今回はクラウド会計ソフトの話です。
今年は独立して4年目。いつも確定申告締め切り間際になってやらなくてはならない状況に追い込まれてからようやく動く、ということを繰り返しています。
それでも比較的短時間に集計できているのは、クラウド会計ソフトを使っているから。
私は個人事業主となった最初の年から、「マネーフォワード」を使っています。
フリーランス・個人事業主はクラウド会計ソフトを使うべき3つの理由
まず、どれくらいのフリーランス・個人事業主が会計ソフトを使っているのかを調べてみました。
2021年5月に発表されたMM総研の調査によれば、クラウド会計ソフトの利用率は26.3%。
個人事業主のクラウド利用率は26%、前年からの伸びは過去最高 ≪ プレスリリース | 株式会社MM総研
■クラウド会計ソフトの利用率は26.3%、前年比5.0ポイント増は過去最高の伸び■行政手続きのデジタル化が進む中でクラウド利用のメリットが拡大■クラウド会計ソフトの事業者別シェアでは弥生が57.0%、freeeが20.6%
意外と少ないな、という印象です。どうしてなのでしょうか?
もしエクセルや手作業で集計しているという人がいたら、全力でクラウド会計ソフトを使うことをおすすめしたいです。理由は3つあります。
1.控除額65万円がある青色申告がラクにできる
私は青色申告をしています。
なぜなら、65万円の青色申告特別控除枠があるからです。
フリーランス・個人事業主の売上=収入ではありません。収入から、必要経費を差し引いた金額が所得となります。
そして住民税や所得税などの税金は、その所得に対してかかるもの。さらにフリーランス・個人事業主は国民健康保険料も所得の額で決まる点に注意です。
所得に対して課税されるなら、できるだけ所得は小さく見せたいというのが人情ですよね。
青色申告特別控除を受けると、なんとその所得から最高65万円を差し引くことができるようになります。
「でも、青色申告ってめんどくさいんでしょ?」という人にこそ、実はクラウド会計ソフトがおすすめなのです。
青色申告特別控除を受けるには次の4つの条件があります。
事業所得がある
複式簿記で記帳している
貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付している
e-Taxによる申告または電子帳簿保存をしている
期限内申告をしている
参考:国税庁
複式簿記や貸借対照表、損益計算書を簿記の知識がない人が一から作るのはものすごく大変です。
少なくとも私は想像しただけで心が折れます。
しかし、クラウド会計ソフトがあれば、簿記の知識がなくても、お金の出入りを記録するだけで青色申告用の確定申告書が完成してしまうのです。
なお、確定申告には青色申告よりもカンタンな白色申告もあります。
白色申告の控除額は10万円。以前は白色申告には記帳や帳簿保存の義務がありませんでした。
ところが、平成26年1月から白色申告も青色申告と同じように記帳や帳簿保存が義務化されました。
記帳と保存の手間がほとんど同じなら、控除額が大きな青色申告の方がよいですよね。なお、青色申告するには事前に青色申告承認申請書を提出しておく必要があります。
2.クレジットカード・銀行のお金の流れが自動的に記録される
これはクラウド会計ソフトの特徴でありメリットです。
我が家は普段の買い物で現金を使うことはほとんどありません。
できるだけクレジットカードや口座引き落としができるお店やサービスを選んでいます。むしろ、現金払いのみところは敬遠しているくらいです。
なぜなら、現金決済はお金の出入りが記録・可視化できないから。
一方、クレジットカード払いや口座引き落としにしていれば、日々のお金の出入りはクラウド会計ソフトが勝手にやってくれます。
自動的にデータを取得してくれるので、1つずつ数字を確認して入力する、みたいな作業が要らないのです。
フリーランス・個人事業主は確定申告が必要だし、外注しない限り、日々のこまごまとしたこともすべて自分でやらなければなりません。
だからこそ、自分の代わりに働いてくれるツールを有効活用した方がトータルで考えるとコスパがいいのです。
3.請求書発行・消込作業がラク
マネーフォワードには、請求書を発行する機能があります。
請求書を作成すると、自動的に売掛金として帳簿に記入されるので、別途入力しなくてよいところがラクです。
あとは入金期日にマネーフォワードを立ち上げて、入金されているかをチェック、消込すればOK。
わざわざ記帳しに行ったり、ネットバンキングの画面を別に立ち上げて突き合わせる必要はありません。
それともう一つ、Eメールで請求書を送ると、相手方がダウンロードしたかどうかをシステム上でチェックできる点も私は気に入っています。
事業主は売掛金の回収までが仕事です。電子上でやりとりするとすべて記録に残るので、トラブルを未然に防ぐ効果もあると考えています。
クラウド会計ソフトは「マネーフォワード」を勧める2つのワケ

続いて、マネーフォワードを推すわけを解説しますね。
クラウド会計ソフトの中で人気を二分するサービスにfreeeというものがあります(というか、人気はfreeeに軍配が上がるらしい。)
freeeの方が有名ですが、それでも私がマネーフォワードを推したい理由は次の2つです。
1.マネーフォワードはfreeeより安い
比べてみるとわかりますが、マネーフォワードの方が安いです。

一番安いプランは一部使えないサービスがあるので、私は真ん中のプランを契約しています。freeeとは月1,000円、年に1万2,000円の差になりますので、よく考えたいですね。
2.同料金内で経費精算・給与・勤怠管理もできる
いま一人でやっているし、これからもずっと一人でやっていく予定の人には関係ないかもしれませんが、外注するときや従業員を雇うときはこうしたサービスを同料金で利用できるのは大きなメリットだと思います。
freeeの場合、このあたりのサービスは別料金です。
まとめ:フリーランス・個人事業主はクラウド会計ソフト「マネーフォワード」で確定申告しよう
フリーランス・個人事業主にとって、会計処理は本業ではないという人が多数派のはず。
だからこそ、できるだけ低コストで、会計処理はサクッと済ませられるツールを活用するのが大切です。
税理士にお願いすると、月1万円〜、決算時だけでも少なくとも数万円かかります。将来的に事業規模が大きくなったら、税理士にお願いしたり、外注したりした方がよいでしょう。
ただ、自分でやれば半ば強制的に必要最低限のお金や税制の知識が身につきます。
年1万円程度で、確定申告にかかる労力を大幅にカットできて、控除枠も使えるならコスパがいいのではないでしょうか。
お金の流れを可視化することは事業の状態を知ることにもなります。フリーランス・個人事業主こそ会計ソフト「マネーフォワード」を活用して、確定申告してみてくださいね!
