少し前から“FIRE”が注目されています。
FIREとは”Financial Independence, Retire Early”の略で、経済的自立を達成し、早期リタイアした人たちのことを指す言葉だそうです。
ざっくり言うとFIREとは「できるだけ早く1億円を貯めて4%以上で運用し、その運用益を元手に生活する」ということのようです。そしていまこの生き方が、世界中で注目されているとか。
そこでこの記事ではFIREとは何か、FIREできる方法を調べてみることにしました。
FIREを達成するための資産形成に関する基本的な考え方をまとめてみます。
早期リタイアに近道はある?FIREを目指す人が知っておきたい真実
FIREの考え方を知るために、手始めに『FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド』を読んでみました。
生まれながらの資産家ではなく、自らの継続的な努力によってFIREを達成したストーリーには勇気づけられるものがあります。
しかし、この本を読んでわかったのは、FIREに裏技はないということです。
1億円の資産を作るのに、普通のペースで貯金していては途方もない時間がかかります。
早期リタイアどころか、退職年齢になっても貯金が間に合わない可能性が大きいでしょう。
そこで、投資の力を借りることになります。
普通の人が最短で投資用の元手を増やす4つのステップ
しかし、最終的に投資の運用益だけで生活できるようになるには、それだけの元手が必要です。
100万円を4%で運用するのと、1000万円を4%で運用するのとでは、1000万円の方が大きな利益が得られますよね。
投資の元手を増やすにはどうすればよいのでしょうか?
投資には、節約スキルがセットで必要です。
この本には決して高収入ではない人が着実に元手を増やす節約のコツが次のように書かれていました。
・自分を幸せにしない基礎的な支出を削る
大きな資産を作るにはまとまった額の元手が必要です。種銭を作るには、まずは固定費をカットしましょう。本書では、銀行の手数料、利用していないサービスのサブスク、固定電話のカットなどが紹介されていました。
・痛みの伴う支出を削る
固定費をカットしたら次に、ちょっと痛みを伴う支出にもメスを入れます。たとえば、外でのランチ、家族での外食、ジムの契約を解約する、といったもの。
完全にゼロにするのは厳しいかもしれませんが、FIREを達成するのにはとにもかくにも、生活費を抑えなければなりません。
生活費を抑えれば抑えるほど、早期リタイアに向けて準備する金額も小さくなります。
・所有している高額なものを減らす
所有している高額なもの、とは自動車や不動産のことです。
車や家は持っているだけで、税金や修繕などにお金がかかるもの。
地方や郊外のように、車がなくては生活できない場所もあるので一概には言えません。
が、少なくとも見栄のために高価な車を買うのは、資産形成に逆行するライフスタイルと言えます。
できれば家も持ち家ではなく、ライフスタイルの変化に合わせて柔軟に住まいを変えられる賃貸の方が望ましいということでしょう。
・ご褒美を加える
ここまでやったら、カットした支出の一部を自分のごほうびに使ってもよい、と著者は言います。コストカットばかりでは、楽しくないですものね。
どの支出をカットするかは人それぞれですが、FIREを成功させる基本的な考え方は「支出を減らして投資に回す」ということ。
少しでも多くの金額を投資に回すことができるようになれば、資産形成のスピードがアップします。
経済的自由を手に入れる4つの超基本ルール
2冊目に読んだのは、『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』です。
結構分厚い本ですが、経済的な自由を手に入れるための基本ルールは次に集約されると思います。
支出は稼ぎよりも少なく
余りは投資
借金しない
投資先はインデックスファンド一択
詳しくは実際に紹介した本を読んでみていただければと思いますが、本を読む時間がない人におすすめなのは、耳で聞く読書・AmazonのAudibleです。
30日間の無料期間がありますし、好きな1冊ももらえますよ。
合わなければ、30日以内に解約すればお金はかかりません。
FIREに興味を持ったきかっけは中田敦彦さん
私がFIREに興味を持ったのは、元オリエンタルラジオの中田敦彦さんがきっかけです。
読書好きの私はよくネットで話題の本を調べます。あるとき、たまたまた中田さんのYou Tube大学でFIREについて触れている回を目にしたのです。
中田さんは2021年3月に家族でシンガポール移住をしたことが知られています。
しかし、強力な移民政策をとっているシンガポールは外国人にとってビザの取得が難しいと評判の国。
ビザの要件を調べたわけではありませんがが、人材立国を目指す同国のビザの取得を会社員としての立場ではなく個人で取得するのはかなり厳しいのではと予想されます。
それも、一時的な就労ではなく「移住」です。
シンガポールはいまやアジア一物価の高い国といっても過言ではありません。
そんな国に家族で移住できるということは、それだけ経済的基盤がしっかりしているということの表れではないでしょうか。
そんな中田さんがFIREに触れたことで、興味がわきました。
ゴールは人それぞれ。FIREは目的ではなく手段
ところで、なぜいまFIREはこれほど多くの人の注目を集めているのでしょう?
そもそも早期退職できるほどの資産を積み上げれば、万々歳なのでしょうか?
その答えは『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』の次の文にあると思います。
経済的に自立するとは、引退後のことではありません。経済的自立とは、選択肢を持っているということです。何かあれば「ノー」と言える状態です。 (中略)20年間働いた人が失業し、直ちに破産するのを見ると心が痛みます。こんなことがあってよいものでしょうか。お金について学んでいないから、そんな結果を招くのです。
ただし、その実現方法は数え切れないほどあります。
完全なFIREを目指すのか。
一定の期間、収入ダウンまたは仕事から離れて無収入になったとしても生活できるレベルを目指すのか。
金額や目標とする期間によって、投資に回す金額も、どの程度の利回りを目指すのかも変わってくるでしょう。
成功した人たちは自分の強みと弱みを理解した上で、自分に合ったアプローチを取り入れています。
ゴールをどこにするにせよ、ある程度の資産は間違いなく人生の自由度をアップさせてくれるはず。
そのためにも、私たちはお金について学ぶ必要があります。
学ぶのに場所は関係ありません。地方に住んでいても、いまはAmazonを筆頭とするネット通販もあれば、Audible(オーディブル)のようなツールもあります。
こうしたものを活用しない手はありません。